「個」であることにこだわり、透徹した視線で戦前・戦後を生きた作家・安岡章太郎。明治維新から現代まで、日本人の心層に脈々と流れ続ける普遍的なものを見続けた時代と人間を描く歴史エッセイ集。

内容:歴史小説について . 島崎藤村と『夜明け前』 . 歴史について . 愛郷心について . 街道の温もり . 思想は土地に着く . 明治維新と私 . 歴史の惨酷さ . 歴史の手触り . 民権と風土と人間と . 忘れっぽさについて . ふるさとということ . 呼び声 . 麓さんのこと . 名分の改革 . 「のらくろ」と共に . 小愛国者の期待と失望 . 九段靖国神社 . 戦争と読書 . 漫画と歌と兵隊と . 学生"特権"の喪失 . イヤな故郷 . 弱者の偏見 . 原爆記 . 視点の効果 ほか19編