「美術」と「美術以外」の間に引かれてきた境界線。江戸と明治、伝統と西洋文化、書画骨董と調度品、東京と地方、日本と海外…。様々な「狭間」の中に生じ、「日本近代美術史」の周辺や外部、スキマに山積されている「もやもや」している問題を探る1冊。

内容:歴史の形成と視覚イメージ 丹尾安典著. 明治工芸で考えるオリジナリティをめぐる主従関係 岡本隆志著. 毛筆習字教育の存廃をめぐる諸問題 志邨匠子著. 近代歴史画の萌芽 増野恵子著. ヒトラーへの贈り物・ヒトラーからの贈り物 安松みゆき著. エト源次郎とスチュアート・キューリンをめぐって 瀧井直子著. 幕末明治初期京都と田村宗立考 石井香絵著. 絵師たちの「世替わり」 奥間政作著. 近代木版職人列伝抄 岩切信一郎著. 絵葉書の戦争、掌上の帝国 向後恵里子著. コマ絵雑考 西山純子著. 命令する労働者から動員される労働者へ 喜夛孝臣著. 戦前洋画壇の生活 河田明久著. 神話的記憶と歴史的記憶 ミカエル・リュケン著 坂井利佐子訳. 護れ大空! ジェニファー・ワイゼンフェルド著 中村尚明訳. 菊花御紋考 谷田博幸著