なちかつ
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 大作には違いないと思う。今までにこんな込み入った小説は読んだことがない。いくつかの賞を受賞し文学的にすぐれた作品だと、それは感じるが、正直ついていくのが大変で読みにくい作品だった。アメリカの高校に留学した16歳の少女マリに、天皇の戦争責任についてのディベートが課される。現代の若者の視点から東京裁判を問い直すという小説として面白いモチーフだ。しかし、作品は過去と未来、夢と現実を行き来し、その振れ幅がとても大きい。マリが体験する出来事、マリの内面に去来する夢・幻想・母親との関係性など・・・。もろもろのエピソードは最後の弁論に結集されていき、印象的な結末を迎えるのだが、マリの内面は深すぎて感情移入ができないのだ。

 どうぞ読んでみてください。

2024年 (令和6年)
4月24日(水)
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