その年の夏、アンナと姉弟のように育ってきたダニエルとルーカスのママががんで死んだ。どんなに悲しくても、どんなに神様にお願いしても、人の力ではどうすることもできないことがある。まわりの子どもたちから心ない言葉を浴びせられて三人は深く傷つく。神様を信じられなくなったダニエルは、川の主のように巨大なあの川かますをつかまえたら僕のママも元気になると言い出した。小魚さえつかめないダニエルだったが・・。受け入れがたい、しかし逃げることも、どうすることもできない現実に対して、必死にそれをのりこえようとする少年と少女の心が描かれている。ひとりでは耐えられないようなことでも、友だちと支えあえば耐えられるかもしれない。アンナが子どもでいられなくなったその夏の思い出。
なちかつ
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