よあけ この言葉に引き付けられて、この絵本を手にとり数十年がすぎました。子どもの絵本にしては、ずいぶん地味だと思いながら、ページをめくると。静寂の世界がひろがります。「おともなく」「しずまりかえって」。そこに登場するのは毛布にくるまるおじいさんと孫。ページをめくるたびに静寂の中に、命を感じるんです。何だろうこの感じ。おじいさんと孫がみずうみにこぎだすと、やまとみずうみがみどりになるんです。これが、よあけなんだ。と、感じる絵本です。命や生命力を表す色が青と緑だと、聞いたことがあります。よあけとは、私たちに 新しい力を教えてくれる絵本です。
ユリー・シュルヴイッツは、東洋の文芸美術に造詣がふかく、この絵本のモチーフも 唐の詩人 柳宗元の詩「漁翁」によるものだとか。
どうぞ、その手にも『よあけ』を。☺ <よむよむblogから>
なちかつ
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ユリー・シュルヴィッツ作・画 『よあけ』 瀬田貞二訳 1977年 福音館書店
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- 作成者:NCL編集部
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