なちかつ
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 この14歳のエスキモーの少女マヤック(英語名ジュリー)はたった一人でアラスカのツンドラを歩いて旅をした。食糧が尽きてどうしようもなくなったとき、狼の行動をまねてその群れの一員となり、食べ物を分けてもらった。群れのリーダーの狼を父親のように尊敬し、やんちゃな子ども狼と兄弟の情を育んでいった。極北の厳しい自然の中で、獲物の動物から食べ物、身にまとうもの、テント、そりなどを自分で作った。やがて人間が暮らす村に近づいた旅の終わりに衝撃的な事件が起こる。そしてエスキモーの少女マヤックは、静かにジュリーになることを受け入れる。

 若い日の読書は、やはり物語を中心に、マヤックのような心に残る登場人物との出会いであってほしい。アラスカという寒い国でたくましく生きた少女マヤックは、まちがいなく心の友として読んだ者の心の引き出しに入るだろう。そんな引き出しが一つ、また一つと増えていくような読書を。

2024年 (令和6年)
4月20日(土)
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