なちかつ
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 パリに実在する女性救済施設を舞台に、現代社会における女性の貧困、人権問題と、そこに立ち向かう人々の姿が描かれる。主人公は二人の女性。ソレーヌ、気鋭の弁護士だった。クライアントの自殺をきっかけにうつになり、その治療もあって施設でのボランティアを勧められた。彼女の目を通して、会館に住まう女性たちのさまざまな苦難があぶりだされていく。もう一人はブランシュ、およそ百年前、施設設立のために命がけで奮闘した。現代と過去が交錯する物語は、読者に同じ時代に生きるものとして何ができるか、何をすべきかを問いかけている。「森の大火事のとき、一羽のちいさなハチドリだけがせわしなく嘴に水をたくわえ炎に水滴をかける。憐れなばか者、そんなことしたって火は消えない。わかってる、とハチドリは答える。だけど、せめて自分にできることはする。」

2024年 (令和6年)
4月24日(水)
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