なちかつ
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 物語の舞台は明治のころの東京。著者の少年時代の思い出が描かれていて、石井桃子の「幼なものがたり」にも似る。しかし、「幼なものがたり」が著者の子どもの頃の回想であるのに対し、この作品は子どもの世界をあさやかに描き出した自伝的小説になっている。和辻哲郎の解説に、“少年の頃の思い出を自伝的に綴ったこの作品には、不思議なほどあざやかに子供の世界が描かれている。しかも大人が追想した世界としてではなく、子供ごころの感情世界が子供の体験するままに描き出されているのである。漱石が未曾有の秀作として絶賛をおしまなかった名編。”とある。読んでみてまさにそのとおりだと感動した。

2024年 (令和6年)
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