やわらかい絵とやさしい文章が一体になった温かみのある絵本。まだ幼いなっちゃんに弟ができて、なっちゃんはお姉さんになった。お母さんに甘えたいけれど、お姉さんだからとがまんするなっちゃん。だから「ちょっとだけ」。「なっちゃんは、ママのスカートを“ちょっとだけ”つかんであるきました。」 でも、やっぱりさびしくて、なっちゃんの表情はだんだん沈んでいく。「“ちょっとだけ”ブランコがゆれました。」の場面ではくつが片方脱げ、なっちゃんの顔はとてもさびしそう。それまでの“自分でやったよ”という少し誇らしげな表情とは全然ちがう。そして最後の場面、「なっちゃんよかったね」と、読み手も一気に温かい気持ちに包まれる。えらいお母さんだな。
なちかつ
図書館WEB