朝日がのぼってはらっぱへ出てきた女の子。小さな生き物たちと遊びたい。「〇〇さん、わたしとあそびましょ」と近づいていくと、みんなにげていってしまう。だれもわたしと遊んでくれない。でも、池のそばの石にしずかにこしかけていると、・・。自然の中でじっとして自分の気配を消していると、生き物たちがいつものとおりに動き出した。それはそれは豊かで楽しい世界。女の子はじっとしたまま生き物たちとたっぷり遊んで、とびっきりうれしい気持ちにつつまれる。場面の展開も絵もシンプルで地味な絵本だけれど、読む者の心には鮮やかなイメージと女の子と同じうれしさが広がる。
*特別展示「ロングセラーの名作絵本たち」から