元大阪市長・大阪府知事にして弁護士の橋下徹氏と気鋭の憲法学者木村草太氏の日本国憲法をめぐる対談。どちらも法律の専門家だけあって、一般読者にはかなりレベルの高い議論が展開する、・・と感じた。橋下氏は法にのっとって権力を行使してきた立場から現実的な法の運用を述べる。木村氏は精緻な法理論から法の運用のあり方を述べる。両者の考えはとりわけ安全保障の規程をめぐって鋭く対立するが、法の専門家という共通の基盤の上で質の高い議論が成り立っている。
(木村)憲法の本質について。“憲法に先立つのは権力悪ではなく、権力不在による混乱である。無秩序という悪を是正するため、主権国家は権力を打ち立てた。今度は、その権力が濫用されないようコントロールしようという段階になり、憲法が必要になった。この順番が重要です。” (橋本)立憲的態度について。“憲法と対話し、ルール化し、そのルールに基づいて権力を行使する。これこそが立憲的態度だと思うんです。”
なるほど
*企画展示『今こそ考えよう日本国憲法(このくにのかたち)』から