著者の坂本菜の花さんは石川県出身。高校の三年間を遠く離れた沖縄の無認可学校「珊瑚舎スコーレ」で過ごす。本書はその沖縄でいろいろな人と出会い、いろいろな活動を通して考え、成長していった心の軌跡。
本文から。「(石垣島の自衛隊配備について)自衛隊はなぜここに配備されようとしているのか?同じ県内にいたはずなのに聞こえてこなかった、聞こうとしなかった現実。本島に帰って新聞を開くと、石垣や宮古という文字が飛びこんで来ました。実際の距離は変わらないけど、心の距離はどれだけでも変わるのだと思いました。」 「時々、どの情報を信じたらいいのかわからなくなるときがあります。そんなとき、私はあまり深く考えずに足を動かします。とりあえず、って気持ちで行ってしまいます。自分で見てきたことはものごとのすべてにはなりませんが、確実な一部です。そして帰ってきたときに、ものごととの距離が縮まっているのがわかります。」