現代の沖縄が舞台の小学生少女たちの物語。主人公は勉強が苦手で自分の名前さえ漢字で書けない女の子大城珊瑚(おおしろさんご)、6年生。母親は福岡へ働きに出ており、祖母で民謡歌手のルリバーと二人で暮らしている。将来はルリバーのような民謡歌手になりたいと思っている。ルリバーには珊瑚に知られたくない秘密があった。それは自分の母親、珊瑚のひいおばあが貧しさゆえに那覇の遊郭に売られたジュリだったということ。沖縄の女、母娘4代の人生のつながり。わずか12歳の珊瑚はそのつながりを背負って生きている。珊瑚の友だちや東京から転校してきた2人の少女も沖縄での生活の中で大切なものに気づき、しなやかに成長していく。
なちかつ
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