なちかつ
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 前作の続き。信州松本の本庄病院に栗原一止の医学生時代の親友進藤が着任してきて、主要な登場人物の一人となる。本巻の主な出来事は、内科副部長の古狐先生の死だ。部長の古狸先生と二人で地域医療を背負ってきた老医師の死をめぐって、生きることの意味が掘り下げられていく。医師も人間として生きるのだ。漱石の「坊ちゃん」と違って、古狸も古狐もいやな人物ではない。堂々たる人格者として描かれている。この作品のおもしろいところは、登場人物すべてが自分の生き方をまっすぐに貫いていて、みんなカッコいいところだ。そしてみな周りがよく見えていて人にやさしい。個人的には一止の妻ハルさんがイチオシ! まぶしいぐらいすばらしい。

2024年 (令和6年)
12月23日(月)
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