*文庫版表紙
アマゾンの大自然を迫力に満ちた文章と写真で伝える。「オーパ」、驚きの連続だ。食肉ドジョウのカンジェロ、早業の仕事師ピラーニャ、河面に炸裂する美しい花火トクナレ、世界最大の淡水魚ピラルクー、黄金に輝く名魚ドラド、そして奇怪な超近代都市ブラジリア。今この大アマゾンが火災で焼失しつつあるというニュースを、開高健はあの世でどんな思いで聞いているだろう。
著者にはヴェトナムの戦争のまっただ中に飛び込んで書いた、小説ともルポルタージュともいえる『輝ける闇』のような作品もある。、体ごと命がけで創作対象に飛び込み、肝の据わった仕事をした。そんな仕事ぶりも味わいたい。
- 詳細
- 作成者:NCL編集部
- カテゴリー: おすすめ本棚
発達障害の子どもへのあたたかいまなざしにあふれた作品。
主人公のジョセフは7年生(中1)でADD(注意欠陥障害)。学校の通級指導教室に通っている。集中しなきゃいけないときにほかのことに気をとられて失敗ばかりしてしまうジョセフ。何かにつけて自信が持てない。そんなジョセフがひょんなことから陸上部に入り、クロスカントリーを走ることになった。物語は日記風にジョセフの一人称で語られていく。男子顔負けのスポーツが得意な少女ヘザーとの友情を育みながら、そしておじいちゃんをはじめとする家族や先生たちの励ましを受けながら、ジョセフのへんてこな部活動が展開していく。でも、最後の大会のレースが終わったとき、ささやかだけど確かに、ジョセフの中で何かが変わっていた。
- 詳細
- 作成者:NCL編集部
- カテゴリー: おすすめ本棚
続きを読む:ダイアナ・ハーモン・アシャー著 『サイド・トラック 走るのニガテなぼくのランニング日記』 竹富博子訳 2018年 評論社
食文化の奥深さ、多様さに驚いた。身近にあって毎日口にしている食品なのに、ほとんど知らないことだらけだ。われわれ現代人の生活では、大豆・米・牛乳などの原料食品もしょうゆ・油揚げ・せんべい・おかき・バター・チーズ・クリームなどの加工食品も同じようにお店の棚に並んでいて、暮らしの中で加工過程を見ることがない。たとえば、中間加工品で見た目はよく似た白い粉にも、上新粉、もち粉、白玉粉、小麦粉、コーンフラワー、コーンスターチ、かたくり粉、脱脂粉乳などたくさんある。さすがにきな粉は色が違うのでわかるが、それ以外は粉だけを見て見分けがつくだろうか。さらに、上新粉はうるち米をひいてつくる米粉だが、それより目が粗くせんべいの原料になるものを新粉、それより目が細かくまんじゅうなどの原料になるものを上用粉とよぶそうだ。
自然の恵みからさまざまな美味しい食べ物をつくりあげてきた人間って本当にすごいなあと感動してしまう。
- 詳細
- 作成者:NCL編集部
- カテゴリー: おすすめ本棚