「たくましい脳」というのはなかなかおもしろい言い方だと思った。本書を読んでみると、なるほど脳もたくましく育てるべきだ、たくましい脳があってこそ学習、情緒、他者との関係性など、あらゆる精神活動において健康に生きられる可能性が高まる。たくましい脳はどうやって育てるか。それは一言で言うと、脳を使うこと、働かせることだ。脳科学の視点から、読書や音読、計算、手を使って書く作業などの大切さをわかりやすく説く。
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アメリカの高校生が4人ずつ2つのグループに分かれて公開討論会をする。1ヶ月間、4回にわたって。テーマは「広島と長崎への原爆投下は必要だったか否か」。主人公で、日本人の母とアイルランド人の父をもつメイは、原爆否定派のメンバーとして討論に参加する。2つのグループは周到な学習と準備をして討論に臨む。討論は、原爆被害の惨状、真珠湾攻撃、日本軍の中国での残虐行為、ナチによるユダヤ人迫害、日系アメリカ人に対する強制収容、日系アメリカ兵のヨーロッパ戦線への投入など、第二次大戦全体を総合的に考えながら展開していく。やがて肯定派も否定派も、平和のために自分たちは何と戦わなければならないかということに気づいていく。「戦争と平和」という人類の大きな問題に対して、自分の頭で真剣に考え、他者とも意見を戦わせながら考えを深める、その過程こそが一番大事だと教えてくれる作品。
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著者は1967年生まれの社会学者で沖縄を研究の対象にしている。この本は、著者が長年沖縄に関わるなかで問題意識にあがってきた “沖縄について考える” とはどういうことかを語ったものだ。沖縄が歩んできた、あるいは歩まされてきた歴史をふまえ、本土の人びとと沖縄の人びととの非対称的で不平等な関係を冷徹に見つめ続けた結果、そのような問題意識を持ったことに、著者の人としての誠実さを感じた。
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