なちかつ
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 サクラの研究者がサクラの種類、染井吉野の来歴、桜と日本文化など、科学的観点から、あるいはエッセイとして、縦横に語る。読み物としてもおもしろい。その中で、近年「発見された」クマノザクラが大きく取り上げられていて、地元に住むものとして興味をそそられる。「クマノザクラのもっとも大きな長所だと筆者が感じたのは、野生でも美しいことです。国内に多くの桜の名所がありますが、その多くは人が植えたサクラです。筆者はやはり人が植えた樹木より、自然林の中の野生の樹木により魅力を感じます。この点でも、野生でも美しいクマノザクラはきわめて理想的です」だそうだ。

 浜田桂子さんの描く子どもの絵を見てほしい。表情やしぐさ、動きが豊かで、本当に生き生きしている。目線が少しもずれていないところがすごいと思う。どこをどんなふうに見ているかがきちんと描かれているので、その子どもが発していることば、さらにはその子の性格まで伝わってくるようだ。

 この作品では、人の心は手の動きに表れ、手は人と人をつなぐんだということがよくわかる。

 語彙力をつけるためのハウツウのところはさておき、第5章「言葉の力で幸せに生きられる」はまさにそのとおりだと思った。言葉によって世界は認識され、語彙が増えると世界が豊かに見える。言葉が心や生き方をつくる。私たちが心だと思っているものは、かなりの部分が言葉でできている。また、著者によると、読書は心のお風呂だとか。一ヶ月に一冊も本を読まないというのは、一ヶ月に一回もお風呂に入っていないようなもので、信じがたいことだという。一ついいかもと思ったのは、「名言ノート」。いい言葉に出合ったら、すぐ書きとめる。集められた名言は、のちのちまで自分を支えてくれる力になる、とのこと。そうかもしれない。

2021年 (令和3年)
5月18日(火)
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