なちかつ
図書館WEB

 

◇新型コロナ感染拡大防止のために <9月1日>

①体調がすぐれないとき、発熱しているときは図書館の利用を控えてください。

②図書館へ来るときはマスクを着用してください。

③入館時には手指の消毒をしてください。

④閲覧・自習は所定の座席で行い、人との距離を保ってください。

 

 

秋の夜長・・、本読も!

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 この本は2007年から2019年まで「わかやま新報」に連載された筆者のコラムを単行本にしたもの。内容は、和歌山の歴史、文化、産業、教育、スポーツ、国際交流など多岐にわたっている。

 筆者のやわらかな語り口に案内されて、ふるさと和歌山の時空を気の向くままあちらこちらと訪ねてまわる。すると何とも心地よい気持ちになる。それは、今まで知らなかったふるさとのよさに気づかされるから。県内のいたるところに、キラッ、キラッと光るエピソードがある。和歌山、なかなかやるじゃないか(意外?)。しかし、輝きを発しているのは、もちろん「人」だ。人のあらゆる営みにおいて、和歌山にもこんなに多くのキラッと輝いた先人たちがいた。そんな紀州人に出会う読書。

 「いきなはからい」、「いきな柄」、このきわめて感覚的な美意識はどんな要素から成り立っているか。その対極に位置する 野暮(やぼ)・無粋(ぶすい)とは? 

 哲学や思想の本というのは、その人があることがらについて深く考え、その到達点なり思考の過程を人に伝えるべく書かれた本である。読む方もたいへんだが、少しでも自分の考えがよく伝わるように書くという点で書く方もたいへんだ。「いき」や「風流」、「情緒」について、これほど深く考え抜いた人がいたということがまず驚きである。そしてそれを言葉で書き表すなど(筆者は図に示すことまでしている)、そんな試み自体そもそも「いき」か「野暮」か。半分もわからなかったけれど、実に綿密な思考と論の組み立てがおもしろかった。峻険な山に登るような読書をたまにはしてみようと思う方、どうぞ。

 体の不自由な人のため、40年間で2600台もの自転車を作り続けてきた堀田健一さんの挑戦を描いたノンフィクション。もの作りが大好きだった堀田さんは一人ひとりに合った自転車を1台1台手仕事で作り上げていった。どんなことでも続けるということがすごいし、尊い。それが人のためになり人から喜んでもらえることなら、これ以上幸せな人生はないと思った。しかし、現実には商売としての採算はとれず、堀田さん一家は光熱費まで止められるというどん底の生活を味わう。それでも自転車づくりを続けたのは堀田さん一人の心の強さだけではないだろう。筆者は、堀田さんが人との関わりの中で自身の仕事の価値に気づいていく過程も描いている。

2020年 (令和2年)
9月19日(土)
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