なちかつ
図書館WEB

 

◇新型コロナ感染拡大防止のために <9月1日>

①体調がすぐれないとき、発熱しているときは図書館の利用を控えてください。

②図書館へ来るときはマスクを着用してください。

③入館時には手指の消毒をしてください。

④閲覧・自習は所定の座席で行い、人との距離を保ってください。

 

 

秋の夜長・・、本読も!

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 主人公の「坊っちゃん」が始めから終いまで「おれ」の一人称で語る。「おれ」のことを坊っちゃんと呼んだのは住み込み女中だった清(きよ)だ。親譲りの無鉄砲で子どものころから損ばかりしている「おれ」は、親兄弟からは冷遇されたが、清だけがおれを認め、期待をかけ、愛情を注いでくれた。人と衝突ばかりしている性格的にやや難ありの「おれ」が、まっすぐな自分らしさを貫けたのは、「おれ」を無条件で盲目的に認めてくれる清がいたからではないだろうか。話の筋そのものはおなじみの痛快ドタバタ騒動の連続だが、最後の最後で「清のことを話すのを忘れていた」などと照れてみせながら、その後の清との暮らしぶりを短く語って物語を閉めている。かすかなペーソスが漂う。

 併せて、『文藝別冊 夏目漱石』に収められている水村美苗さんの論文「漱石と日本語と日本近代文学と日本」もおすすめ。国語としての日本語が成立しようとしていた時期に、作品を通して近代の意味を問うた漱石の「奇跡」について論じている。 

 現代の沖縄が舞台の小学生少女たちの物語。主人公は勉強が苦手で自分の名前さえ漢字で書けない女の子大城珊瑚(おおしろさんご)、6年生。母親は福岡へ働きに出ており、祖母で民謡歌手のルリバーと二人で暮らしている。将来はルリバーのような民謡歌手になりたいと思っている。ルリバーには珊瑚に知られたくない秘密があった。それは自分の母親、珊瑚のひいおばあが貧しさゆえに那覇の遊郭に売られたジュリだったということ。沖縄の女、母娘4代の人生のつながり。わずか12歳の珊瑚はそのつながりを背負って生きている。珊瑚の友だちや東京から転校してきた2人の少女も沖縄での生活の中で大切なものに気づき、しなやかに成長していく。

 著者の坂本菜の花さんは石川県出身。高校の三年間を遠く離れた沖縄の無認可学校「珊瑚舎スコーレ」で過ごす。本書はその沖縄でいろいろな人と出会い、いろいろな活動を通して考え、成長していった心の軌跡。

 本文から。「(石垣島の自衛隊配備について)自衛隊はなぜここに配備されようとしているのか?同じ県内にいたはずなのに聞こえてこなかった、聞こうとしなかった現実。本島に帰って新聞を開くと、石垣や宮古という文字が飛びこんで来ました。実際の距離は変わらないけど、心の距離はどれだけでも変わるのだと思いました。」 「時々、どの情報を信じたらいいのかわからなくなるときがあります。そんなとき、私はあまり深く考えずに足を動かします。とりあえず、って気持ちで行ってしまいます。自分で見てきたことはものごとのすべてにはなりませんが、確実な一部です。そして帰ってきたときに、ものごととの距離が縮まっているのがわかります。」

2020年 (令和2年)
9月19日(土)
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