なちかつ
図書館WEB

 

◇新型コロナ感染拡大防止のために <9月1日>

①体調がすぐれないとき、発熱しているときは図書館の利用を控えてください。

②図書館へ来るときはマスクを着用してください。

③入館時には手指の消毒をしてください。

④閲覧・自習は所定の座席で行い、人との距離を保ってください。

 

 

秋の夜長・・、本読も!

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 おもしろい。著者は九州出身で中学生の息子を持つ母親である。けっして上品とは言えない文章から腹の据わった母ちゃんといった感じがする。連れあいは大型ダンプの運転手で、ごくふうつの夫婦と子ども一人の中流家庭だが、この一家は日本ではなくイギリスのある地方都市で暮らしている。そして母ちゃんの連れあいはアイルランド人(ホワイト)だ。息子の「ぼく」は明らかに母ちゃん似で東洋人(イエロー)の顔立ちをしている。書名はそんな「ぼく」の存在を表している。ブルーというのは人種差別を受けたりしていやな気分になることもあるという意味だ。ところがどっこい、「ぼく」はなかなかたくましい。地域トップのカトリック校でなく公立の元底辺中学校(殺伐とした英国社会を反映するリアルな学校)へ通うことに決めた「ぼく」は、母ちゃんたちの心配を尻目に、友だちとの関係を深めながら充実した日々を過ごしていく。この本はそんな「ぼく」とぼくを見守る母ちゃんの心の成長の記録である。

 青少年をめぐる問題行動、貧困などは日本も同じだが、人種差別や階層格差社会といった問題はそれが世界標準かという気がした。「息子の人生にわたしの出番がやってきたのではなく、わたしの人生に息子の出番がやってきたのだろう」のすてきなせりふは著者の言。

 2020年本屋大賞受賞作。カバー見返しに、「あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。それでも文、わたしはあなたのそばにいたい。再会すべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。新しい人間関係への旅立ちを描いた、息をのむ傑作小説」とある。

 事実と真実は往々にして異なるものだ。事実に行く手を阻まれても、真実に生きる道を選び歩き始める。がんばれ!

 主人公の斗羽風汰は中学2年の男の子。いいかげんな性格の持ち主で、言葉づかいもなってない。でも、捨て犬を放っておけない優しい一面も。その風汰が5日間の職場体験である保育園へ行くことになった。楽そうだったから?担当の林田先生はてきぱき指示をくれる。特に真面目にやっているわけでもないのに、なぜか幼い子どもたちから慕われて・・。風汰の中に自分以外の他者を見る視点が育っていく。

2020年 (令和2年)
9月19日(土)
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